[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
贈与税
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
贈与税(ぞうよぜい)は、税金の一つ。相手からの贈与によって受け取った財産に課せられる国税。本項では日本の贈与税について解説する。
法律上の規定 [編集]
贈与税の目的の1つが、生前贈与による相続税回避の防止にあることから、相続税の補完的な税の性質を持つ。したがって、相続税法(昭和25年法律第73号)の中で相続税とともに規定されている。
課税対象 [編集]
納税義務者は、贈与によって財産を取得した個人であるが、権利能力なき社団、財団も例外的に納税義務者になることもある。
納税 [編集]
2008年度(平成20年度)現在、個人の基礎控除が年間110万円ある。従って、その金額までは課税されない。また、相続が発生した場合、遡って課税されることがある。年間110万円を超える部分に対して課税される税率は、金額により10%から50%と徐々に高くなる。(累進課税制度)。相続税より基礎控除額が低いのは、贈与税は相続税の補完税である為(相続税の負担を公平とする為に、設けられた)。
2003年度(平成15年度)より、「相続時精算課税」制度が創設された。これは、贈与税・相続税を通じた納税を可能とした制度である。対象者は、贈与者が65歳以上、受贈者が贈与者の推定相続人(代襲相続人も対象)で20歳以上となっており(年齢判定は贈与があった年の1月1日時点)、親のその子供が該当する場合が多い。2008年度(平成20年度)現在、控除額は2,500万円で、複数年に渡り利用できる。控除額を超える贈与を受けた場合は、超える金額について贈与税を納付し、相続時に相続税で精算する。この「相続時精算課税」制度と従来どおりの贈与税の納税方式である「暦年課税」とのいずれかを申告時に選択できるが、一度選択したら、後からの変更はできない。尚、2009年(平成21年)12月31日までであれば(2008年度現在)、住宅取得等資金(住宅新築や購入、増改築。一定要件が必要)の贈与に限り、従来の2,500万円控除に1,000万円をプラスし、3,500万円まで控除を受けられる特例がある。尚、これについては贈与者の年齢は関係ない。
納税時期 [編集]
毎年1月1日より12月31日までの贈与分を、翌年3月15日までに申告して納付する。個人所得税の確定申告と同時期に行われるが、まったく別の申告となる。
納税義務者 [編集]
- 贈与により財産を取得した個人で財産取得時に日本に住所を有するもの
- 贈与により財産を取得した日本国籍を有する個人で財産取得時に日本に住所を有しないもの(ただし、その個人、贈与をした者がその贈与前5年以内のいずれかの時に日本に住所を有していたことがある場合に限られる。)
- 贈与により日本にある財産を取得した個人で財産取得時に日本に住所を有しないもの(2の者は除かれる。)
課税財産の範囲 [編集]
税収の推移 [編集]
財務省の統計を参照(単位:100万円)
- 平成14年度 1,452,891
- 平成13年度 1,674,472
- 平成12年度 1,782,208
- 平成11年度 1,885,339
- 平成10年度 1,915,579
- 平成9年度 2,412,872
外部リンク [編集]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B4%88%E4%B8%8E%E7%A8%8E地理学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
地理学(ちりがく、英:geography、独:Geographie(-fie)またはErdkunde、仏:géographie)は、空間ならびに自然と、経済・社会との関係を対象とする学問の分野。空間や自然環境という物理的存在を対象の中に含むことから、社会科学と自然科学という両面の性格を有する。
元来は農耕や戦争、統治のため、各地の情報を調査しまとめるための研究領域として成立した。しかし現在は、自然科学ないし人文科学の一分野として、各地ごとに異なる空間的異質性を説明することが求められるようになった。
地理学の内部は、大きく系統地理学、地誌学、地図学、地理学史の4つに分類される。系統地理学はさらに自然地理学・人文地理学に分けられ、それぞれがまた細かく分類される。ただし、自然地理学の諸分野は地球科学の影響を受け、その中でも時に生態学や気象学、地質学などと連携されることが多い。人文地理学は歴史学・社会学・経済学などの近隣分野の影響を受け、それらの知識ならびに隣接分野の理論の十分な理解が要求される学問である。また、自然・人文ともにフィールドワークや巡検を実施し、実地調査に基づく観察を重視する傾向があるのが特徴である。
地理学の歴史
詳細は、地理学の歴史を参照の事。
地理学誕生の地は、古代ギリシアである。学問としては、博物学の部門に属した。その源流は、各地の様子を記載する地誌学的なものと、気候や海洋について研究する地球科学的なものとに見ることが出来る。中世には停滞を招いたが、大航海時代による爆発的な地誌の拡大や、17世紀以降の自然科学の発達と観測機器の発達は近代地理学の成立へと導いた。現在見ることのできる科学的な地理学の源流は19世紀初頭のドイツでおこり、アレクサンダー・フォン・フンボルトとカール・リッターの二人の名に代表され、彼らは「近代地理学の父」と称えられている。彼らは地誌的な記述ばかりではなく、様々な地理的な現象に内的連関を認め、地理学においてその解明の重要性を説いた。19世紀後半には、地理学者らによって各種系統地理学が整備され、日本など世界各国に地理学が移入された。1950年以降、アメリカ合衆国が中心になってコンピューターや統計データなどを用いて、計量的な地理学が世界中に急速に普及したが、1970年代後半移行、この様な研究は他の分野との競争に敗れ、一旦は衰退したが、GIS などを利用した地理情報科学として、学際的な性質をもって、新たに再生してきている。さらに、現在では環境問題や他の近接学問分野の細分化・多様化なども相まって、地理学という範囲にとらわれず様々な分野への関心が要求されている。
地理学の諸分野
地理学史
地理学史は、古代に地理学が発生して以来の地理学発達の歴史、学問上の論争、地理学者と呼ばれる人物の研究、地理学方法論の検討などが該当する。地理学という学問のそのものへアプローチする分野。地理学思想、地理学説史なども含む。
系統地理学
本節では地理学のうち系統地理学(自然地理学・人文地理学)の諸分野について述べる。地理学が論じられる際は、ほとんどがこの系統地理学の諸分野となる。
自然地理学
自然地理学 に該当するもの。詳細は、各項目を参照されたい。ほとんどの場合、これらの学問成果をあげるには、現地調査(フィールドワーク)が要求される。いずれの場合も、学問上で厳格な線引きは存在せず、例えば気候地形学のような自然地理学の中でも分野のまたがった研究も往々にされている。
- 気候学
- 主に気候と人々との関係を考察する。都市気候、ヒートアイランド現象、エルニーニョ現象などもこの分野で扱う。
- 水文学
- 湖沼や河川、地下水を主な研究対象とする。現在では、陸水学という表現が主流になりつつある。
- 地形学
- あらゆる地形の成因、変遷などを考察。対象は火山、平野、地層など。
- 第四紀学
- 主に第四紀の間に起きた地層、地形の変遷、氷期/間氷期(氷河期)の問題などを取り扱う。現在見られる地形の直接的な要因を探究する。地形学と連携を密にする。
- 海洋地理学
- 海に関係する地理学。自然では海岸線、海流、海底地形など。また人文では、海洋資源や境界線なども扱い、しばしば政治問題にも触れる。
- 植生地理学
- 植生分布に関する地理学。フィールドワークによる場合と、花粉分析法を用い、泥層などから採取した花粉の年代測定をし、解明していく方法がある。
- 動物地理学
- 動物の生態・分布に関する地理学。生態学と密にしている場合が多い。植生地理学などと共にしばしば生物地理学と総称されることも。
- 土壌地理学
- 土壌に関する地理学。第四紀学などと連携を密にすることが多い。
人文地理学
人文地理学に該当するもの。詳細は、各項目を参照されたい。これらもほとんどの場合、学問成果をあげるには、現地調査(フィールドワーク)が要求される。いずれの場合も、学問上で完全に独立しているわけではなく、例えば都市地理学と経済地理学の複合分野を研究対象にするということも可能である。
- 経済地理学
- 経済活動の空間的異質性を説明する地理学。各種産業に注目した産業地理学(農業を扱う農業地理学、工業を扱う工業地理学、商業を扱う商業地理学などがある。)消費者行動に注目した消費地理学、産業等の立地展開に注目した経済立地論などが主要なテーマ。これらは、人文地理学の中でも議論されることが多い分野である。そのほかの分野として、近年、英米の地理学者を中心に、小売業の立地的側面、金融的側面、消費者行動的側面など小売業を多面的に扱った新しい小売地理学や、経済活動の文化的側面に注目する傾向、そして、グローバルな経済活動がもたらすさまざまの問題を帝国主義や世界覇権とのかかわりで論ずる批判地理学が現れている。だが日本ではこの分野の研究者は少なく、発展途上の段階にある。経済地理学は地理学の専売特許ではなく、経済学においても研究されている。
- 社会地理学
- 社会階層や社会構造など社会学に関するテーマに対する地理学。具体的には、民族問題や過疎・過密、女性問題やコミュニティの問題などを扱う。
- 政治地理学
- 政治に関する地理学。過去には、軍事侵略や植民地に関するテーマを扱っていた。現在は、学区域の問題や国政や地方行政や国際関係と地理との関係を主流にする。最近では、地理学で政治を扱うと、学問の性質上、地方自治にスポットがあてられることが多いので、この分野を敢えて行政地理学という表現をすることもあったが、近年では、グローバルな政治の問題も、新しい地政学などとしてしばしば取り上げられる。
- 都市地理学
- 都市特有の現象を扱う地理学。交通網・移動、犯罪・非行や、都心・郊外に関するテーマなどを扱う。経済地理学・社会地理学と連携を密にすることが多い。また、都市計画学、都市工学、都市社会学などの分野ともしばしば連携される。
- 歴史地理学
- 地理学では、通常時間軸は現在であるが、歴史地理学は過去である。歴史的な現象・事柄の文献学的な意義のみならず、地理学的な意義を求める分野である。歴史学の一分野としても扱われるが、通常は地理学の分野である。民俗学と連携をとることも。
- 文化地理学
- 文化や風俗を扱った地理学。宗教施設や、祭りなどを考察対象とする。民俗学・文化人類学・社会学などとの連携をとることもある。
- 宗教地理学
- 宗教に関する地理学。地理学では、多くは宗教の教義や思想的なアプローチは行わず、宗教の社会的・文化的役割とその関係を見ることがほとんどである。上記、文化地理学の一分野でもある。
- 人口地理学
- 人口問題・人口移動・人口政策などを扱った地理学。単独ではなく、社会地理学や経済地理学の一分野にされることもある。
- 集落地理学
- 人間の居住形態である集落というものに対する地理学。大きな括りをすれば、農村地理学や都市地理学もこの一分野である。
- 農村地理学
- 農村に関する地理学。集落地理学や農業地理学との連携が大きい。
- 交通地理学
- 交通に関する地理学。交通網の発達と立地展開の関係、日々の人々の移動に関する研究などを扱う。計量的に分析することが多く、鉄道網や道路網に対する知識や関心はその前提と見なされている。都市地理学や経済地理学などとの連関が多い。
- 病理地理学または疾病地理学
- 伝染病・風土病などの疾病の地理的な分布・伝播を扱った地理学。医学の専門的な知識を求められるため、地理学の一部門でありながら、人文地理学で論じられることは稀である
- 言語地理学
- 言語や方言に関する地理学。方言の分布など探る。たたし、社会言語学的な性質が強く、人文地理学の一分野と見る論者は少なく、また議論になることも稀である。
- 軍事地理学
- 軍事に関する地理学。第二次世界大戦で地理学の軍事作戦への応用が進み、確立される。
他分野においても生物学の生物地理学など地理学という名をもつ学問がある。
地誌学
地誌学(地域地理学)は、ある特定された地域内における地理学的事象を自然地理・人文地理両方の見地から研究する学問である。自然地理・人文地理に関わらず、実際に研究する際は、具体的な地域を選定しなくてはならないため、ひとつの専門分野というよりは地理学の共通基礎部分と認識されている。文学や国際関係学方面の地域研究(学)との共通点もある。
地図学
地図学は、様々な地図の描写・測量・判読の方法について研究する学問。多くは、作図や実習などの作業を伴う。空間科学である地理学とは不可分な関係にあり、地理学を修得する際は必須科目にされていることが多い。実際的に、地図学において地図を使う場合、地図帳などではなく、国土地理院発行の地形図を用いることが多い。また、先進的な欧米と比べて、日本では学問分野としての確立は見られないが、これは技術的なことがらを嫌う日本の地理学会のある種矛盾した体質も一部原因があるようである。各地の地名の由来・意味などを研究する地名学もこの分野の派生分野として置かれることもある。近年では、欧米の地図学の成果を取り入れたGIS(地理情報システム)が、地理学以外の分野を含めて盛んになっている。地図学は今後、紙地図の発想を越えた、地理空間現象の可視化を研究する学問としての発展が期待されている。
地理教育の問題点
現在の日本の高校においては、1980年代に「地理」が必修でなくなり、「世界史」が必修になった影響で「地理」を選択する生徒が減少し、地理学へ興味・関心を持つ機会が減少している。
しかし、「大都市圏への一極集中と地方の過疎化」「農業のグローバル化」「新興国(中国やインド)の発展による世界情勢の変化」「地球温暖化による異常気象・ヒートアイランド現象」「自然災害(地震や津波、洪水)」など地理学がカバーする範囲は極めて広く、大学において「地理学科」や「地学科」という名称でなくても改称したり分野別に再編したりして実質的に地理学教育を行っている学科・専攻は少なくない。
地理学の特徴は「時空間的かつ学際的に地域を理解すること」であり、大学院生や大学教員レベルになると複数の学会に所属している者が多い。この特徴ゆえ、「地理学は専門性が低い」という意見が存在する。しかし、近年ではGISを用いた解析や一部モデリングが盛んに行われており、地理学の存在意義は失われていない。
外部リンク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%86%E5%AD%A6コミットメント Commitment
達成すべき目標であり、未達成の場合は具体的な形で責任をとるもの。コミットメントのない変革は頓挫する。
日産の「用語辞典」によると、「コミットメント」と「ターゲット」という言葉が使い分けられています。「コミットメント」は達成すべき目標であり、未達成の場合は具体的な形で責任をとるというものです。「ターゲット」とは、コミットする目標よりさらに高い目標を指します。
コミットメントという言葉は訳し方によっては「できる限りのことをする」というあいまいなもので、勝手な解釈も可能なのです。しかし、日産社内での解釈は「未達成の場合は具体的な形で責任をとる」というあいまい性の排除にその取り組みの本気度が表れています。
つまりコミットメントは、目標と達成責任を明確にすることで、社員の挑戦志向、変革志向を高めようとしているのです。このように、トップの変革への強い意志と、社員の主体的な変革への参画と能力の発揮を促すことが、企業改革の大きな梃子として作用するのです。
10分でわかる「コミットメント」の意味と使い方
【どういう意味?】
「かかわりあい」「委任」「言質(げんち)」をさします。
【もう少し詳しく教えて】
コミットメント(commitment)は英語からきており、「かかわりあうこと」、「ゆだねること」「委託」「委任」、また「言質を与えること」「公約」「誓約」「約束」などを意味します。つまり、責任をもって関わること、責任をもって関わることを明言すること、責任を伴う約束をさします。また、金融分野では特に、有価証券の売買や売買契約をさします。
【どんな時に登場する言葉?】
契約や交渉、渉外など何らかの関係を示したり、声明や公約をさすときなどに用いられます。したがって、政治や法律に関わる分野で比較的多くみられます。
【どんな経緯でこの語を使うように?】
コミットメントは英語の動詞コミット(commit)の名詞形です。英語動詞コミットに関連した日本語としては、「手数料」「わいろ」「専門委員会」を意味するコミッション(commission)、プロ野球などの協会最高権力者をさすコミッショナー(commissioner)、委員会を表すコミッティー(committee)の方が先に広まっているため、なじみ深いかもしれません。
【コミットメントの使い方を実例で教えて!】
- トップ-コミットメント
- 企業のCEOが表明する、企業ビジョンや環境問題などへの取り組みを含んだ所信表明をさすことが多いようです。企業の公式ウェブサイトなどに多く掲載されています。
- コミットメントのステートメント
- 例えば「○○業界の環境に対するコミットメントのステートメント」というとしたら、「○○業界から発せられた環境問題についての公約の声明文」ということになるでしょう。また、「パートナーシップのためのコミットメント」、「パブリックコミットメント」のような使われ方をします。
- 教育分野への強いコミットメント
- アプリケーションソフトウエア会社が、アカデミックパッケージの提供や教育ソフトの開発などを推進するなど、教育分野へ大きく関与していることを、このように表現しています。「仕事へのコミットメント」、「Linuxプラットフォームへのコミットメント」のようにも用いられます。
- コミットメントライン(commitment line)
- コミットメントラインは金融用語で「融資枠」のことです。ほかに、コミットメントフィー(commitment fee)は「融資枠維持手数料」をさします。
【言い換えたい場合は?】
コミットメントを漢字に置き換えると、「関与」「委託」「確約」などのようになります。文脈から、「かかわり」「公約」「言質」「声明」、または「義務」や「責任」なども考えられるでしょう。
【雑学・うんちく・トリビアを教えて!】
「コミットする」コミットメントを動詞形にして「コミットする」と日本語でも言うようになりましたが、英語で「コミットする」(commit)という動詞を使った場合、それは日本語より重いニュアンスがあります。語源的には宗教的に「すべてを送る」つまり「ゆだねる」という意味合いで、古くは「神に魂をゆだねる」ことも表しました。ですから、「~(すること)をコミットする」というと、「~(すること)を誓約・公言する」ことになり、「~(すること)」に対して、天知る地知る我知る人知る責任が生じます。有言実行の英語らしい表現ですね。
コミットメントの理解度国立国語研究所の「『外来語』言い換え提案」によると、コミットメントは「関与」「かかわり」または「確約」「公約」とされています。また、2003年掲載の情報によると、コミットメントの理解度は国民全体の25%未満です。
http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/topic/10minnw/042commitment.html
コミットメント
コミットメントとは、仕事や組織に対する愛着の程度や心理的距離の概念として理解される。
仕事に対するコミットメントには外因的コミットメントと内因的コミットメントがあり、外因的コミットメントは報酬やポストなどの外的要因を動機づけ要因により得られるもので、内因的コミットメントとは価値観や成功イメージなどによって得られるものを指す。
組織に対するコミットメントは、感情的コミットメント、継続的コミットメント、規範的コミットメントの3つから構成されている。感情的コミットメントとは組織に対する好意的な感情をベースにするもので、継続的コミットメントとは現時点で組織を離れることは自分にとって損失であるから留まるという意味におけるもの、そして規範的コミットメントとは組織に関与することが自身にとって道徳的に望ましいから留まるという判断におけるものである。一般的に高いコミットメントは組織における従業員のパフォーマンスや満足度にプラスの影響を与えるとされてきた。しかし、感情的コミットメントが高いことはパフォーマンスや満足度の向上にプラスに影響するが、継続的コミットメントや規範的コミットメントについては必ずしもそうではないことがわかってきている。
執筆 コンサルタント 山﨑綾子
http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_158.html
ルサンチマン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ルサンチマン(仏: ressentiment)はデンマークの思想家セーレン・キェルケゴールにより確立された哲学上の概念である。主に、ある感情を感じたり行動を起こしたりある状況下で生きることのできる人すなわち強者に対する、それをなしえない弱い者の、憤りや怨恨、憎悪、非難の感情をいう。この感情は自己欺瞞を含み、嫉妬や羨望から来る。フリードリヒ・ニーチェの『道徳の系譜』(1887年)で使用され、マックス・シェーラーの『道徳構造におけるルサンチマン』で再度とり上げられ、一般的に使われるようになった。
道徳の系譜 [編集]
ニーチェによればルサンチマンの人とは「本来の『反動』、すなわち行動によって反応することが禁じられているので、単なる想像上の復讐によってその埋め合わせをつけるような徒輩」[1]である。
よって、ルサンチマンの人は非常に受け身的であり、無力な状態で、フラストレーションを起こしている。行動を禁じられて、その結果自身の無力を痛感している人なら誰でもルサンチマンに陥る。すなわち感情を表に出すことができなくなってしまうのである。
強者であればこの状態を克服できる。その場合、ルサンチマンの状態は(復讐心を克服するときと同様)一時的なものでしかない。反対に弱者はルサンチマンから逃れられない(復讐心が脅迫観念になったり、ある行為を後悔するあまり日々悶々として、気の休まるときがなくなってしまったりするのと同じ)。そして、フラストレーションの味方をして、なにもできないのを正当化し、価値の否定および反転を行う。自分を正当化しようとするこの願望こそ奴隷精神の最大の特徴である。
こうしたルサンチマンの例は、敵との対比(実際の敵であることもあれば空想上の敵であることもある)において自己を定義しようとする様々なイデオロギーである。このようなイデオロギーでは敵(すなわち自分が無力である原因)が悪の元凶扱いされ、反対に、道徳的に優れているのは自分だとされる。彼らは悪人だ、従ってわれわれは善人だ、というわけである。あるいはまた、世界はどうしようもなく悪によって支配されている。したがってわれわれのほうが世界より優れている、ともなる。
なお、ギリシア哲学研究で著名な田中美知太郎は、プラトンの対話編『ゴルギアス』でのカリクレスの主張―弱者たる多数派による法律に飼い馴らされた状態から、充分な天性を授かった人間(奴隷にしておいた主人)が立ち上がり、自然の正義が燦然と輝き出る、というもの―には、ルサンチマン概念の変奏曲の如きものが認められると指摘した(田中美知太郎責任編集『世界の名著 プラトンⅠ』中央公論社)。
ジル・ドゥルーズ [編集]
ドゥルーズは『ニーチェと哲学』(1962年)においてルサンチマン概念を、哲学を肯定的かつ反弁証法的に再生させるという視角から論じている。ポストヘーゲル主義的な理論が退潮した時期にドゥルーズは、弁証法的止揚とか批判的活動といったものを中心に置かない哲学を考案した。この哲学は批判哲学も弁証法哲学も否定性とみなし、能動的行為(actif)を反動的行為(réactif)より高く評価する。
ルネ・ジラール [編集]
ルネ・ジラールも1960年代中頃からルサンチマン概念を論じている。ジラールによればルサンチマンとは、乗り越えることのできない理想的モデルに対して誰もが抱く単なる嫉妬心にすぎない。自律的に感情を抱くことのできる「優れた」人間というものがいるというロマン主義的な考え方をジラールは批判し、どんな人間も模倣をせざるをえないと考えた。反動という言い方をニーチェが用いたような悪い意味で使うことができるとしても、ジラールに言わせれば、われわれはみな反動的なのであり、その点では、ニーチェ的な意味では一見して優れた人間であるとみえる人々でさえ例外ではない。ロミオとジュリエットであれテレビのアイドルたちであれ、優れた人間でないばかりか、自分の感情を育むために他人の感情に頼りきっている。それが嵩じれば、自殺したり人工的な世界に逃げ込むことにもなりかねない。ジラールの考えでは、ニーチェ自身もルサンチマンの人である(例えばニーチェは当初ワーグナーを崇敬し、その後攻撃に転じた)。ニーチェが狂気に陥った理由の一端は、奴隷精神への軽蔑と彼自身のこのような心理状態との緊張から説明できる、というわけである。またジラールは同様の仕方でもルサンチマンのイデオロギーについても論じている。共産主義、反ユダヤ主義、さらに一般に「反・・・」を名乗る主義がこうしたイデオロギーと言える。ただし、ニーチェのみならず近代思想全体によって「断罪」された聖書やキリスト教は、ジラールにとっては、感情の真実を伝える担い手であるとされる。
マルク・アンジュノ [編集]
イデオロギー研究の文脈では、言説分析を専門とするカナダの歴史家のマルク・アンジュノ(en:Marc Angenot)が、20世紀の政治イデオロギーやアイデンティティ・ポリティクス、ナショナリズムを論じる際に、ルサンチマン概念を取り上げている[2]。アンジュノもまたルサンチマンとは、不満の蓄積を特徴とする態度であると考えている。ルサンチマンに基づく主意主義の増殖は今日ではとりわけポストモダニズムや独善的主張の横行、組織防衛的な考え方の拡大にみられ、様々な形態の差別や社会的対立を煽っている。アンジュノによれば、過去について反省したり将来について希望を抱き続けることは、たとえわれわれの目から見て安定性や魅力が(ヴァルター・ベンヤミンがアウラの消失と呼ぶような仕方で)消え失せている仕方であるように見えても、ルサンチマンがもつ反動的な影響から身を守るための最善の方法である。
脚注 [編集]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%9E%E3%83%B3