忍者ブログ
論文作成のための準備作業として,収集した情報,調査したこと,現時点における自分の考えを整理してみたことなどを断片的に記したものである。
[5]  [20]  [19]  [18]  [17]  [16]  [15]  [14]  [13]  [12]  [11
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

●『資本論』の中の共産主義論
『資本論』は、資本主義の生成、発展、没落(発展的解消)に関する本で、よく誤解されているように共産主義の未来モデルを描いた著作ではない。しかし、『資本論』には、資本主義的生産の歴史的性格を浮き彫りにするために、それ以前の生産様式(封建制、奴隷制など)がしばしば登場し、資本主義以後の社会、すなわち共産主義社会についてもその限りで大まかな特徴づけが数十カ所で行われている。
ただし、全3部の中で「共産主義社会」と形容されている箇所はわずか2箇所しかなく、マルクスはこの資本主義以後の社会について「結合的生産様式」「結合した労働の様式」「協同的生産」「社会化された生産」などと形容している。より詳細な規定としては、「協同的生産手段で労働し自分たちの多くの個人的労働力を自覚的に一つの社会的労働力として支出する自由な人々の連合体」(第1部第1編)、「労働者たちが自分自身の計算で労働する社会」(第3部第1編)、「社会が意識的かつ計画的な結合体として組織」(第3部第6編)などがある。
ここからもわかるように、『資本論』においては旧ソ連式の国有化・単一計画などの具体的形態に言及した箇所は無く、生産を社会の理性によって規制するという一般論が述べられているだけである。また、マルクスは『資本論』第3部で、「自由の国」と「必然の国」の問題に触れ、共産主義革命の目的を述べている。すなわち、経済が資本主義=剰余価値(もうけ)の追求から解放され、社会の合理的な規制の下に服して社会の必要に対する生産という経済本来のあり方を回復するが、それでも生産は人間が生活していく上で必要な富をつくりだすための拘束的な労働(必然の国)が要る。しかし、この時間は時間短縮によって次第に短くなり、余暇時間(自由の国)が拡大する。『資本論』第3部では、この時間の拡大によって人間の全面発達がおこなわれ、人間が解放されるとマルクスは主張した。
PR
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
最新コメント
最新トラックバック
ブログ内検索
P R
お天気情報
FX NEWS

-外国為替-
カウンター
Copyright © 研究基礎知識ノート All Rights Reserved.
Designed by north sound
Powered by Ninja Blog

忍者ブログ [PR]