忍者ブログ
論文作成のための準備作業として,収集した情報,調査したこと,現時点における自分の考えを整理してみたことなどを断片的に記したものである。
[79]  [78]  [77]  [76]  [75]  [74]  [73]  [72]  [71]  [70]  [69
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

比較優位

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

比較優位(ひかくゆうい、comparative advantage)とは自由貿易に関して生まれた考え方で、経済学者デヴィッド・リカードが提唱した。

比較優位を持つ(相手より機会費用の少ない)財の生産を特化し、他の財は(自由)貿易を通じて輸入することで、それぞれより多くの財を消費できるという国際分業の利益を説明する理論。比較生産費説。

概要

例えば、ワインと毛織物という商品があったとして、大国と小国がそれぞれどちらの商品も以下のように生産できるとする。

  • 大国:労働者一人あたりでワイン10単位、または毛織物30単位生産できる。
  • 小国:労働者一人あたりでワイン2単位、または毛織物4単位生産できる。

この時、小国はどちらの商品においても大国より生産性が低い。逆に言えば大国は小国よりどちらも生産性が高いと言え、これを絶対優位と呼ぶ。この時点では一見すると小国の商品はどちらも大国に対して競争力を持たないように見える。しかし、比較優位の考えを持ち込むと小国はワイン生産において競争力を持っているのである。

上記の例は言い換えると、小国はワイン1単位と毛織物2単位が等価、大国はワイン1単位と毛織物3単位が等価である。つまり、生産費の比率を見た時に、小国の方がワインを割安に作れるのであり、これを比較優位と呼ぶ(逆に大国はワイン生産において割高になり、これを比較劣位と呼ぶ)。

次に関税がないこと(=自由貿易)を前提に考える。

現在、小国には100人の労働者がおり、50人がワインを、50人が毛織物を生産しているとする。生産状態は、ワイン:100,毛織物:200であり、すなわち、これが現在の小国で消費できる商品数の限界である。

ここで小国が比較優位なワイン産業に特化(100人全員がワイン生産を行う)する。生産状態は、ワイン:200,毛織物:0となる。そして小国は増産した分のワイン100を大国へ輸出し、毛織物を輸入する。この時、大国ではワイン1単位=毛織物3単位であるので、小国は300単位の毛織物を輸入できる。

以上、特化した結果により、小国はワイン:100,毛織物:300を消費することが可能となり、特化する前よりも消費できる商品数の限界が改善されたことになる。さらに、輸出の割合を変えれば、例えばワインを80輸出すれば、小国はワイン:120,毛織物:240を消費することが可能となり、両商品ともに消費を増やすこともできる。また、この取引によって大国の消費も改善されている。

このように、自由貿易の利益を得る上で特化すべき産業が比較優位な産業である。

これは各々が比較優位な産業に特化すること(国際分業)によって全体的な生産性が増大することを示し、さらに自由貿易を前提とした場合に、両国ともに消費を増大させることができることを示している。

機会費用の観点 [編集]

もし、どちらの国も労働力をフル活用している状態(生産可能性辺境線)にある場合、ワインを多く作るためには毛織物の生産を減らさなくてはならない。その場合、ワイン1単位を作るために、小国では毛織物を2単位減らさなければならず、大国は毛織物を3単位減らさなければならない(ワイン生産においては小国は比較優位であり、大国は比較劣位である)。

逆に毛織物生産を見た場合、小国ではワインを1減らしても毛織物が2しか増えないのに対して、大国はワインを1減らすことで毛織物を3増やすことが出来る。(毛織物生産においては小国は比較劣位であり、大国は比較優位である)。

これは比較優位に立つ側は、相手側よりも少ない機会費用で生産できることを示している。

比較優位の応用 [編集]

比較優位の考え方は、国際分業に留まらず、国内間や労働者間などの分業一般に応用できる。

例えば、有能な政治家と、その秘書がいる。政治家は政治活動も秘書業務もどちらも秘書より早くできる。しかし、政治家は政治活動に専念すべきである。政治家が秘書業務を秘書に任せることによって、全体としての効率の改善が図られるからである。

特化のプロセス [編集]

現在の世界の国々は、地球規模の貿易ネットワークに大なり小なりつながっている。そしてそれぞれの国に輸出品と輸入品がある。輸出している商品は国内需要よりも多く生産しているということだから特化が進んでいることになる。

特化が自然に進むプロセスはいくつかある。

固定相場制下での特化 [編集]

固定相場制(または共通通貨制)をとる小国を考える。小国には複数の産業があり、それぞれが大国へ輸出を試みたとする。まず、より高値で販売できる順に序列ができる。

輸出で利益を得た産業は生産を拡大し、より多くの利益を得ようとする。この際に、最も高い利益を得た産業が、より多くの資源(設備や労働力)の購買力を持つ。そうして高い利益を得る産業が資源を需要するため、各資源の価格は次第に上昇する。資源価格の上昇により、輸出競争力の低い産業は収益が悪化し、解散するなどして資源を解放することになる。

この結果、輸出競争力のある産業(比較優位な産業)へ資源が集中し特化が進む。

変動相場制下での特化 [編集]

変動相場制をとる小国を考える。小国には複数の産業があり、それぞれが大国へ輸出を試みたとする。まず、より高値で販売できる順に序列ができる。

輸出で得た外貨は、小国の通貨へ為替されることになる。このとき、より高い利益を得た産業がより多くの自国通貨を得ることになる。こうして、輸出競争力が高い産業はより高い利益を得る。輸出で利益を得た産業は生産を拡大し、より多くの利益を得ようとする。この際に、輸出拡張で自国通貨高が進む。輸出競争力の低い産業は自国通貨高により、輸出縮小により収益が悪化し、解散するなどして資源を解放することになる。

この結果、輸出競争力のある産業(比較優位な産業)へ資源が集中し特化が進む。

比較優位の四つの要因 [編集]

  1. あらかじめ与えられた天然資源の存在量
  2. 後天的に取得した資源の存在量
  3. 科学技術上の優位も含む優れた知識
  4. 特化(専門化)

関連項目 [編集]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%94%E8%BC%83%E5%84%AA%E4%BD%8D
 
PR
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
最新コメント
最新トラックバック
ブログ内検索
P R
お天気情報
FX NEWS

-外国為替-
カウンター
Copyright © 研究基礎知識ノート All Rights Reserved.
Designed by north sound
Powered by Ninja Blog

忍者ブログ [PR]