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探偵業の業務の適正化に関する法律
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
探偵業の業務の適正化に関する法律 | |
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通称・略称 | 探偵業適正化法 |
法令番号 | 平成18年法律第60号 |
効力 | 現行法 |
種類 | 法律 |
主な内容 | 探偵業に関する規定整備 |
条文リンク | 総務省法令データ提供システム |
探偵業の業務の適正化に関する法律(たんていぎょうのぎょうむのてきせいかにかんするほうりつ)は、探偵業について必要な規制を定めることにより、その業務の運営の適正を図り、もって個人の権利利益の保護に資することを目的とする日本の法律である。内閣府(国家公安委員会)が所管する。2006年5月25日衆議院通過、同6月2日参議院可決・成立、同6月8日公布。施行期日は2007年6月1日である。
探偵業は、たとえば浮気の調査など個人のプライバシー(しかも当該被調査人の同意を得ることなく無断で)に関与することもある業務であるにもかかわらず、この法律ができる前は探偵業務・業者を明確に規定・制度化する法令がなく、そのため公序良俗に反する行為をする業者の存在が問題視されるなど社会的要請が高まったため、都道府県公安委員会に管理・監督させることを主目的としてこの法律が制定された。
概要 [編集]
探偵業法は、端的に言えば、探偵業を規制するために制定された法令である。
この法律の施行により、探偵・興信所はもちろん、それ以外の者であっても、「他人の依頼を受けて」「人の所在又は行動について」「面接による聞き込み」「尾行、張り込み」などに類する実地の調査やその営業を行うには、原則として探偵業者としての届出が必要となった(探偵業法2条1項、4条)。この法律の適用除外となる業種としては、「専ら、放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行なわれるもの」が規定されている(2条2項)。
また、探偵業務を行うに当たっては、「この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない」(警備業法15条と同様の規定)とされ(7条)、「調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない」とされた(9条)。
もっとも、探偵の権限に関しては、従来通り一般人の持ち得る範囲内に留まっており、探偵業法によっても探偵に対して何ら特別な権限は与えられていない。捜査権・逮捕権(現行犯を除く)などは一切与えられておらず、特別司法警察職員とされたわけでもないので、業務上は従来通り民間依頼に基づく個人調査が主となる。
この法律による業務の適正化に関する主な規定は以下の通りである。
- 探偵業務とは、「他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務」と定義された(2条1項)。
- 探偵業とは、「探偵業務を行なう営業」と定義された(2条2項)。
- 探偵業者とは、都道府県公安委員会に届出をして探偵業を営む者と定義され(2条3項)、探偵業を営もうとする者に対して、公安委員会へ届出書を掲示する義務が課された(4条)。
- 探偵業を営んではならない欠格事由が定められた(3条)。
- 探偵業者が依頼を受け探偵業務を行なうには、次の書面の授受と説明が必要となった。
- 依頼者から調査結果を違法なことに使用しない旨の書面の交付を受けなくてはならない(7条)。
- 依頼者に法で定められた重要事項を書面を交付し説明しなければならない(8条1項)。
- 依頼者と契約したときには、法で定められた契約内容を明らかにする書面を交付しなければならない(8条2項)。
- 守秘義務と秘密保持が義務付けられた(10条)。
- 使用人社員、従業員に対して教育の義務が課された(11条)。
- 探偵業者に対して報告義務を課し、また、立ち入り検査が行なわれるようになった(13条)。
- 法令に違反した探偵業者に対する営業停止等の行政処分と罰則が定められた(15条・17条以下)。